~痛み(受傷)を早く、根本的に癒すための方法、助言~
~特に同じような症状を繰り返す方の為に~
体のどんな部分も、“ヒト”という神秘で効率の良い有機体の統一的指令から働いています。移植、再生という高度な技術も、有機的な関係が基本に存在するが故に可能となる問題です。
病気というはっきりした症状が無くても、病いにかかりやすい状態、日常の食生活における栄養の過剰、或いは不足が、潜在的病気の予備状態にあるということが多くあります。そのような身体の状態にあると、捻挫、打撲でも、いわんや骨折においても、治癒機転が非常に遅れることがあります。
このような時、その方が、ヒトの本来の自然健康状態に近づいて、“自己回復能力=自然治癒力”が効率よく発揮できるようにお薦めする事が、その方の将来に十分な健康生活をもたらすことになると確信しております。
私の40年余りの開業(因みに私は3代目で、初代の祖父は、1920年に当市川で開業して居ります)の方針として、皆様に御理解を賜って来ております。
基本的方法
一. 食生活を含めた日常生活の簡素化
- 糖質(炭水化物)の摂取は極力避ける
- タンパク質(動物性・植物繊維)、脂質、油(オリーブ油・エゴマ油・シソ油等)は積極的に摂取
- 柔らかな寝具は出来るだけ寝ない事。出来るだけ固いもの(総桐板・高反発性龍宮マット等)を使用する。
- 柔らかな枕、高い枕を避ける事。円筒形を半分にした高反発の硬枕を使用する。
- 厚着をせず、少し寒く感じる方が皮膚呼吸は旺盛になり、風邪もひきにくくなる
- 20歳を過ぎたら、なるべく朝食抜きの一日2食主義にする
【参考】 |
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◎新しい創傷治療 ◎ドクター江部の糖尿病徒然日記 ◎たがしゅうブログ ◎低糖質ダイエットは危険なのか |
二. 栄養補助食品=サプリメントの摂取
多忙な現代人ですから、食事のアンバランスが続きがちである時には、体内に入れた食物を効率良く体内燃焼(消化)させる為の『栄養療法』に目を向ける。健康食品ではなく、“栄養補助食品(サプリメント)”を適宣摂取する。
- その方に応じての各種のビタミンの選択的摂取(ビタミンA、B複合、C、Eなど)
- カルシウムの摂取(マグネシウムを併用して)
- 腸内細菌叢を善玉菌(ビフィズス菌)が優勢となる為のフラクトオリゴ糖の摂取
三. 自宅で、器具も使用しないで出来る簡単で、全身的な運動(自力で)の指導
- ローリング(金魚)運動
腸と脊椎の整正 - サーキュラ(毛管)運動
四肢と体幹の毛細血管の働き、全身の血液・リンパ液の循環 - 背腹運動(左右揺身)
全身の筋緊張が緩み関節が動く、かつ、体液の酸塩基の調整 - 合掌合蹠運動
肩関節、股関節の可動域拡大、筋力の柔軟性及び強化方法。妊婦さんに最適。
四. 人体骨格の力学的考え方
我々は、単独な原因による単純な関節損傷であれば、柔道整復の捻挫・挫傷・打撲の後療法、短波照射、温・冷湿布などで回復する筈でありますが、そうでない場合=痛みの除去の経過が遅延の時、軽快してもまた痛む様な時は、人体の力学的歪みを考慮する必要があります。
- 左右下肢の長さを比較して、仮性短縮あるいは仮性延長、足首の関節の開く角度の左右性……骨盤、腰椎関節の不正
- 左右股関節の屈曲、内旋の痛みと度合い……骨盤、腰椎関節の不正
- 脊柱が側彎(横に曲がる)、前後の彎曲(前かがみ、後ろに反る)がないかどうか。胸腰椎関節の痛み。
- 頚椎の関節が、正常の範囲で前・後屈、左右の捻転(横に振り向く動作の角度)が出来るかどうか。
以上のような点を検査して、もし差異が存在するならば、より根源的な立場(骨盤、股関節)を調整する必要がありますので、良く説明して納得した上での治療を開始するという段階になります。
以上の、一、二、三は、日常生活の中で、特別に時間を調整してしなければならないものではなく、動き、呼吸をするという“生き方”の普通のメニューとお考えになって下さい。(三においては、痛いところのある方は、電動の牽引、ローリング、サーキュラーが出来る機器が何台も設置されていますので使用して頂きます。)
そのような生活体系の中で、自然治癒の力がご自分の中に湧いてくる事が期待出来るようになってきます。
運動は体の関節を調整してからが効果的
世の中には、少しくらいの痛みを我慢しても運動をすれば良いとの考え方がありますが、それは、余りにも動かないで、筋肉運動の適応力が無い場合の事で、運動すると、関節(首、腰、股関節、膝、足首、肘、手首、肩)が腫れたり、痛くなったりするような方の場合は、腫れたり、痛んだりする関節の損傷を適確に治して、然る後に運動をなさる事をお薦めします。
その関節の損傷を適正に手技で治すのが、柔道整復師の役割の大事な領域である事、正しい関節(本当に有している動きの大きさ、力=可動域)の状態が回復すると、筋肉はそれについて伸び、縮んで行くものと考えます。
筋肉を伸ばしても、上下の関節の可動制限が、その関節の内部損傷に原因があるならば、先ず関節の可動制限、軟部組織(腱、靭帯、関節カプセル(関節を包んで潤滑油の役割をする関節液を中に保有している))などの原因を除去して、その後の筋肉のトレーニングをすれば、より効果的に良い結果をもたらすものと考えています。
終わりに
以上のような日常生活姿勢、食生活、治療方法を続けて行くならば、老若を問わず、健全な全身状態を手中に入れる事になろうと思います。
以上、概括的に、柔道整復=接骨、整骨の業務範囲、その生い立ち、その立場、当院では何をしているか、その内容をお知らせ致しました。
尚、順次、HPの内容を詳述して、柔道整復の全体の可能性などをインターネットを通じて、皆様にお知らせできればと考えております。